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中国大使館に抗議行動                   かけはし2006.1.16号

弾圧をはねのけ14人の仲間の即時釈放を要求



 十二月十八日未明、香港警察はWTO閣僚会議の会場となったコンベンションセンター近くにいたデモ参加者などに催涙弾、電気棍棒、ゴム銃弾などによって暴力的弾圧を加え、道路を封鎖し、約千三百人を無差別に一昼夜以上にわたって逮捕・拘束した。その間、何の食事も与えなかった。その上で日本人一人をふくむ十四人を起訴した。十四人はまったく何の違法行為もしておらず、当然にも「証拠」などない。
 逮捕された日本人の青年Nさんは、大阪で日雇・野宿労働者支援の運動に関わり、ジャーナリストとしての取材の役目で香港のWTO対抗アクションに参加していたのである。十二月三十日には仮釈放された十四人の裁判が行われた。起訴された十四人は、逮捕・起訴そのものが事実誤認にもとづくものであると主張し、当然の権利として起訴取り消しを要求した。
 十二月三十日の公判では身柄は「仮釈放」のままで一月十一日の次回公判にまで引き延ばされることになった。十四人の「違法行為」を「立証」できなかった香港警察は、なんらかの「違法行為」を認めることと引き換えに帰国させるという卑劣な取り引きを提示している。香港では日本人のNさんをふくめて起訴された十二人が、一月五日から十一日の公判までハンスト闘争に決起している。
 十二月二十九日、香港のWTO対抗アクションで不当にも逮捕・起訴された十四人の即時釈放を求めて、中国大使館への抗議行動が、反WTO闘争弾圧救援会・東京の呼びかけで行われた、またこの日の行動は、韓国からの呼びかけによるアジア統一行動として行われ、大阪でも中国領事館に対する闘いが取り組まれた。
 東京での行動には山谷の仲間、「持たざる者」の国際連帯行動、ATTACジャパン、ピープルズ・プラン研究所など四十人が参加した。
 午後二時に六本木駅に集まった仲間たちは、中国大使館に向かった。しかし大使館の手前約二百メートルのところで、二台のバスに乗った機動隊員と麻布署員が駆けつけ、路上に車止めを並べ、抗議団をサンドイッチして暴力的に反対側の路上に押しやり、抗議する仲間たちに飛びかかったり(文字通り、ダイブして仲間たちを押し潰したのだ)、引きずり倒して「逮捕」と叫び、数人の仲間を一時拘束までしたのだ。トラメガは壊され、眼鏡を割られ、負傷した人たちもいた。
 抗議団はやむなく代表五人を選んで中国大使館に向かったが、五人の代表にも不当な荷物検査を要求したので二人を荷物番に残し、三人で向かうことになった。それも中国大使館の前に行くことは認められず、大使館の門の反対側の路上で抗議文を読み上げることになった。しかも一人が大使館の門のポストに抗議文を入れることも阻止し、鉄柵にはさむことしか認めないという、まさに異常としかいえない弾圧を行ったのである。
 われわれは警視庁、麻布警察と中国大使館の、一切の抗議を受け付けないこうした強権的な姿勢を絶対に許すことはできない。
 抗議団は、中国政府、香港特別行政区政府、香港警察に対して「十四名へのデッチ上げ起訴・弾圧裁判を今すぐ中止し、身柄を完全に解放すること」「香港警察の暴行と一一四九名の不当逮捕について謝罪すること」を要求し、シュプレヒコールを上げて逮捕されている韓国、中国、日本の仲間たちとの連帯を表明した。        (K)


首切り自由は許さない!
裁判所・厚労省・資本を追及する怒りの共同行動

 十二月九日正午から「裁判所・厚生労働省、首切り自由は許さない!12・9怒りの共同行動」を主催:「裁判所・厚生労働省12・9怒りの共同行動」実行委、共催:東京地評争議支援総行動・けんり総行動実行委が裁判所と厚生労働省を一周するデモを五百人で行った。
 この行動は次のような主旨で行われた。(以下は主催者チラシより)

 裁判所の不当判決を許すな!
 九九年〜二〇〇〇年に東京地裁で繰り返された「労働側八連敗」の不当な判決、仮処分却下の数々は労働者の怒りの団結の前に、一時鳴りを潜めたが、最近になって今度は東京高裁が、地裁で敗訴した事件はもとより、地裁で勝訴した判決までもことごとく覆す判決を繰り返しており、「東京高裁八連敗」が続いています。
 とりわけ、東京商科不当解雇事件では、埼玉地裁で完全勝訴したにもかかわらず、高裁では一度の審理さえ開かれずに逆転敗訴しました。同じ証拠で審理もせずに逆転敗訴させる東京高裁に、正義はあるのでしょうか。
 このため多くの争議が現在最高裁にあがっていますが、最高裁も本年四月にヒルトンホテル不当解雇事件、小学校教員の再雇用拒否事件など、長年争われた事件を「上告棄却」として切り捨てています。私たちはこのようなあからさまな労働者切り捨てを絶対に許すことはできません。

厚生労働省は「金銭解雇」の法制化をやめろ!
 一方で厚生労働省は「労働契約法」という新法の制定に着手しており、ここでも「解雇が無効であっても(職場復帰をさせずに)金銭解決できる」などという労働者切り捨ての悪法が生まれようとしています。新法はこのほかにも、労働組合の否定ともいうべき「労使委員会」の設置など、大きな問題を含んでおり、二〇〇七年には法制化されようとしています。

鉄建公団本社前
で抗議のたたかい

 この昼行動も含めて、05けんり総行動が「格差社会招く小泉構造改革、ぶっつぶせ!」「労働条件と公共事業の切り捨て民営化、阻止!」のスローガンを掲げて、争議相手の銀行・大企業などに対する追及・抗議行動が早朝から行われた。
 みずほ銀行 解雇・不当労働行為 全統一労組光輪分会、不当労働行為 全国一般東京労組ミューズ分会/千代田学園 学園再建 全国一般千代田学園労組/朝日新聞 解雇 全国一般東京南部ヘラルド朝日労組/郵政公社 免職処分 郵政4・28ネット/トヨタ 解雇 フィリピントヨタ労組を支援する会、全造船関東地協/住友重機 アスベスト被害 全造船追浜・浦賀分会/由倉工業 不当労働行為 由倉工業労組/昭和シェル石油 賃金差別・不当配転・転籍 全石油シェル労組/NTT東日本本社 解雇 全国一般東京労組NTT関連合同分会/フジTV 解雇 反リストラ産経労/東京都庁 解雇 全国一般東京労組文京七中分会。
 最後に、鉄建公団本社前で、鉄建公団訴訟原告団、全動労鉄道運輸機構訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団が抗議行動を行った。(M)


管制塔元被告団が「お礼の会」
連帯基金運動の成功で国家意思を打ち砕いた

 十二月二十四日、日本教育会館9階KIZANで「管制塔損害賠償1億400万円の支払い攻撃を打ち破った感謝を込めて、ささやかなお礼の会」が管制塔元被告団の主催で開催され、百二十人が参加した。
 司会を管制塔元被告団の中川憲一さんと高倉克也さんが行った。会の最初に、中川さんが収支報告をした。「十一月三十日に連帯口座を閉鎖したが十二月五日までカンパが届いた。連帯口座に振込まれた額は九千六百四十二万四千百八十七円、それに被告団の用意した二千万円を足して、一億一千六百四十二万四千百八十七円でした」。大きな拍手がわきあがり、お互いの労をねぎらった。
 参加した元被告団は司会の二人の他に前田道彦さん、和多田粂夫さん、中路秀夫さん、佐藤一郎さん、石山和男さん。
 代表して前田さんが「カンパ運動で一番うれしかったのは昔活動をともにやった仲間や皆さんとお会いでき、闘うことができたことだ。もし、この運動がなければ管制塔の元被告でも会えなかった人もいただろう。3・26闘争にドロを塗り、死ぬまで追いつめようとした国家の意志は断たれた。その意味で勝利したのではないかと思う。たった三カ月で一億円を集めた二千人の活動家を作り出した。このことは3・26闘争が確固としたものになり、歴史に残ることになっただろう」と感謝とお礼のあいさつをした。
 乾杯の音頭を虎頭昭夫弁護士が行った。用意されたたくさんの料理を頬張りながら、各テーブルで懇談が続いた。ステージでは柘植洋三さんの友達を含めた四部コーラスやチェ・オバラ(小原努さん)ライブ、そして吉川勇一さん、樋口篤三さん、大木晴子さん、福富節男さんなどたくさんの人が思いを語った。
 最後に元被告団の和多田さんが「やっとただの市民に戻れた」と締めくくった。
 会場にはこの日出来たばかりの『管制塔元被告連帯基金運動 4ヶ月の記録−我々は再び不可能を可能にした』(管制塔元被告団・声明の会・連帯サイト、1500円)が販売された。写真をふんだんに使ったもので、闘いの感動をもう一度よみがえらせたものです。ぜひ、購入を!(M)


「管制塔元被告連帯基金運動 4ヶ月の記録」が堂々完成!販売予約受付中!
b目次内容
巻頭言 怒りのあとで 鎌田 慧/序 章 土に生きる農民の闘い/第一章 卑劣な強制執行/第二章 勝手連運動のはじまり/第三章 さあ反撃の開始だ!/第四章 勝利の兆しが見えた!/第五章 目標額は達成された/第六章 我ら二千の声を聴け!

 本誌は、元被告団と支援者の運動と勝手連のサイバーアクションが融合し、一丸となって連帯基金運動を勝利的に勝ち取るまでを時系列的に纏め上げたものです。連帯基金運動の勝利の証でもあります。連帯基金運動参加記念に、またサイバーアクションの正負を含めた教材として、お手元にお置きいただけるようお願い申し上げます。
b購入先:(以下のいずれかにお申し込みください)
連帯サイト販売事務局 
メールでお申し込みください。
振込先 郵便振替 00110―9―614924
口座名称 堺 正博 
メールアドレス:nyan@cat.design.co.jp
声明の会 取扱者:国富建治 千代田区三崎町3―1―18近江ビル 市民の広場TEL03―5275―5989
被告団 取扱者:中川憲一 puck@pop06.odn.ne.jp 
189―0002 東村山市青葉町1―18―4 桐原ロジテック気付
書店 東京・模索舎 名古屋・ウニタ


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