もどる

新しい反資本主義左翼勢力の形成へ             かけはし2006.0101号

新自由主義グローバル化と参戦国
家体制に対決し改憲阻止の陣形を

WORLD PEACE NOW

自衛隊イラク派兵延長反対!スグモドレの訴え

米軍再編反対・
現場からの訴え

 十二月十一日、上野水上音楽堂で「終わらせよう、イラク占領 すぐもどれ自衛隊 WORLD PEACE NOW 12・11」集会が開催され千人が集まった。
 オープニングコンサートがミューズ分会バンドによって行われた後、集会が始まった。最初に、富山洋子さん(日本消費者連盟)が主催者あいさつを行った。
 「小泉内閣は十二月八日に自衛隊のイラク派兵一年延長を決めた。これは『もう戦争はいらない』という世界の人々の意志、日本の民衆の反戦・平和の強い意志を踏みにじるものだ。イラク占領は破壊をもたらした。今回の派兵延期は憲法改悪への布石だ。自民党は憲法前文をズタズタにし、9条3項に自衛軍が海外派兵できるように規定している新憲法草案を発表した」。
 「二〇〇一年9・11テロ以降、アメリカはアフガン、イラク戦争を行い、憎しみの連鎖を作り出した。イラクでは十万人を虐殺した。アメリカはさらに、韓国や沖縄・日本本土を巻き込む形で基地の再編・強化に取りかかっている。『終わらせようイラク占領、すぐもどれ自衛隊』の運動はすべての基地はいらない、教育基本法改悪、共謀罪新設、憲法改悪反対の運動とともに闘う」。
 続いて、金子豊貴男さん(神奈川平和運動センター副代表)、相澤恭行さん(PEACE ON代表)、川崎哲さん(ピースボート共同代表)が発言した。
 金子さんは次のように報告した。
 「中間報告によって米軍だけではなく、自衛隊の再編も行われる。米軍はキャンプ座間に第1軍団司令部を持ってくる。それに合わせるように陸上自衛隊中央即応集団を新設して配備する。横須賀では米海軍と海上自衛隊の艦隊司令部が共同で戦争の指揮をする。横田では米空軍司令部と航空自衛隊の司令部が府中から横田に移動し、共同運営が始まる。米軍と自衛隊が一体となってアジア・太平洋地域の戦争を進めている。その具体的現われが、今度の自衛隊の一年間にわたる派兵であり延長を決めたことである。何としてもこうした動きに対する闘いを作り出していかなければならない」。
 「相模原市長は『たとえ戦車にひかれても反対する』と発言しており、座間市長は『ミサイル打ち込まれても反対していく』と決意を表明している。自治会も反対しており、二千五百カ所の掲示板にポスターを張り、二十一万人の署名を集めた。市民・議会・行政が一体となって運動を広げている」。

占領軍が民衆の安
全をおびやかす

 次に、相澤さんが訴えた。
 「イラク戦争の前に戦争を阻止するための『人間の盾』の活動をイラク人とともに行い、PEACE ONを立ち上げた。日本人人質事件以後、現地に入れない状況になった。治安が極度に悪化している。イラク人知識人も拘束されている。ヨルダンへ八十万人の難民が押し寄せている。バクダッドは夜になると電気が一時間つくかつかないかくらいでゴーストタウンのようだ」。
 「宗教指導者が殺され、宗教対立が煽られている。国が分断させられている。すべて、占領が最大の問題だ。イラクの九〇%の市民が外国軍の撤退を求めている。最初、日本に対してイラク人は良い感情をもっていたのに、自衛隊が米軍に荷担するように駐留するようになって変化した。日本のNGOと言っても断られたり、日本のバスに日本を示すステッカーが張っていると剥がされてしまう。脅迫状も届いた。自衛隊の駐留はアメリカの占領の正当性を与えるものになっている。自衛隊の存在が安全をおびやかしている。そんなひどい状態の中でも命がけで活動するイラク人がいることが希望である」。
 発言の最後に、川崎さんは「日本では一年の派兵延長を決めたが、『イギリスやオーストラリアが撤兵を決めているので、一年を待たずに撤退するだろう』とマスコミは報道していることを紹介したところが、オーストラリアのNGOは『オーストラリアでは、撤兵の話は何も出ていない。日本政府が勝手に都合よく報道しているだけだ』と発言した。こうしたウソの報道に惑わされることなく、日本から一歩を始めなければならない」と発言した。
 喜納昌吉さん(音楽家・参院議員)がピースコンサートを行い、平和のメッセージを送った。集会終了後、JR御徒町駅までたくさんの旗やプラカードを掲げて、パレードを行った。なお、この日右翼の街宣車が集会の脇で大音響で集会を妨害し続けた。主催者は警察に抗議したにもかかわらず右翼の許せない集会破壊行動を容認した。右翼・警察一体のこうしたあり方に強く抗議する。  (M)


もどる

Back