不当な排除を許さない闘いを かけはし2004.06.28号 |
【東京北部】この間、墨田区は隅田川に架かる桜橋の周辺でテント生活をしている労働者約四十五人に対して、不当な排除の動きを強めている。
墨田区土木部が桜橋の仲間に対して突然の「物件」の「撤去」を勧告してきたのは五月二十日。「五月二十六日までに小屋をつぶせ、その後二度とここには戻ってくるな」というものであった。理由については「住民からの苦情」というのみ、どこに移転すればいいんだという仲間に対しては「ハトが連れて行ってくれるらしいぞ」とまで土木部の役人は答えたという。
山谷争議団・反失実は二十二日、毎週土曜日に行われている隅田川でのパトロールと桜橋下のテラスでの「寄り合い」の場で、この撤去は不当であり、また桜橋の仲間だけではなく隅田川に暮らす千人を超える野宿者全体の問題であることを確認し、翌二十三日に撤去に対する当事者の話し合いの場を持つことを決めた。
二十三日の会合では「あまりに急すぎる」との声が多数を占め、二十五日(火)に墨田区に対し抗議行動を行うことを決めた。
二十五日には約七十人の野宿労働者が結集し、区役所で抗議行動、しかし土木部は「二十七日に排除は行う」というのみ。
二十七日当日には悲観した仲間が抗議の自殺未遂を図るという中、やって来た土木の役人は話し合いを求める仲間の声には全く耳を貸さず、しかし集まった多くの仲間の前に排除も出来ず引き上げた。
その後、土木部は毎日新聞の取材に答えて「いままでこのやり方でトラブルはなかった。話せばわかってもらえる」などどコメントしている。
今回の件以前から墨田区の土木部は野宿の仲間に対しては高圧的で、それがこの間エスカレートしてきていた。「イヌを飼うな」「小屋を小さくしろ」「小屋の高さを低くしろ」といちいち文句をつけ、追い出しを図っていた。仲間たちはそれに耐えてきたが、今回の件で多くの仲間が「人ごとではない」と声を上げ始めた。
三十一日には弁護士や司法書士など二十七人の連名で「要望書」が墨田区長宛に提出され、六月十日には隅田川野宿者有志による「抗議並びに申し入れ書」が提出されるなど不当な排除の動きに抗議の声が大きく広がっている。
そもそもこの墨田区による突然の排除の動きは現在、東京都が進めようとしている「地域生活移行支援事業」との関連から言っても完全にフライングというしかない。
「地域生活移行支援事業」は「公園のテントを目に見えて減らす」ことを目的とした計画だが、これは「ホームレス自立支援法」にもとづく従来の自立支援システム以外に二年間で翌二千室のアパートと都営住宅を都が用意し、約三千円の低家賃で野宿者に貸し出すというもの。しかしこれはテントを持たない野宿者は対象となっていないことや、就労支援も行うことになっているが月約四万円程度でしかないこと(しかもそれも半年ほどで終わるとの話もある)など、多くの批判、懸念の声が出ている。
しかし、それでも「住居」と「仕事」を曲がりなりにも提供することになっているのである。「ホームレス自立支援法」には排除条項が含まれているが、その中でも排除に当たっては「ホームレス自立支援諸施策との連携を図る」としており、何の対策もなしにただ出て行けというのは全く論外としか言いようがない。
そして今回の桜橋周辺は東京都の「地域生活移行支援事業」の対象地域なのである。
当事者の闘いと多くの人々の抗議の声が広がる中で、簡単には強制撤去はできない情勢となってはいる。しかし、墨田区土木部は全く仲間の声を聞く姿勢を示しておらず、楽観することは出来ない。
「屋根」と「仕事」を求める野宿労働者の闘いに連帯し、野宿者を生み出し続ける新自由主義的政策と対決する労働者の闘いを創り出そう。 (板)
参院選沖縄選挙区--
糸数恵子さんの勝利を
東京で連帯する緊急集会開く
六月十八日、東京・文京区民センターで「参院選沖縄選挙区 糸数恵子さんの勝利を! 6・18緊急集会」が開催された。主催は糸数恵子さんの勝利をめざす会。「めざす会」は、全国で唯一、野党の統一候補となった沖縄選挙区の糸数恵子さん(沖縄社会大衆党副委員長、前沖縄県議)の闘いを支援し、改憲阻止と反戦・平和運動の前進を期して呼びかけられたものである。
呼びかけ人を代表して河内謙策弁護士が集会の趣旨を説明した後、沖縄からかけつけた金城睦弁護士が、糸数さんの擁立、野党統一の実現にいたる経過について報告した。
金城さんは、沖縄の広範な人びとの連名で二月に発表された「二〇〇四沖縄宣言」(本紙3月22日号掲載)を出発点にして、野党統一候補実現のために金城さんをはじめ、安里英子さん(フリーライター)、新崎盛暉さん(沖縄大前学長)、親泊康春さん(元那覇市長)、桑江テル子さん(行動する女たちの会)、高里鈴代さん(那覇市議)、山内徳信さん(元読谷村長)らが分担して各政党に要請・提案活動を行い、ついに四月三十日に共産党から民主党までふくめた「野党統一」が実現した経過を説明した。
今回で参院議員を引退した島袋宗康・沖縄社大党委員長からのメッセージが紹介された後、知念良吉さんの熱唱が続いた。また糸数さんに送る檄布への寄せ書きも参加者から寄せられた。最後に、呼びかけ人や参加者が「糸数必勝」で反戦・平和運動の前進を訴えた。
カンパや激励のメッセージを糸数さんに! (K)
b糸数けいこ後援会 〒902│8709 那覇市壺屋2│24│12 TEL098│835│4670 FAX098│835│4672 郵便振替:「がんばれけいこ」01730│8│56552
参院選広島選挙区--
岡本三夫さん(第九条の会ヒロシマ代表)を当選させよう
【広島】第九条の会ヒロシマ代表の岡本三夫さんが広島選挙区に立候補した。無所属で社民党と新社会党の推薦。
自民現職の亀井郁夫(亀井静香の兄)、民主現職の柳田稔(同盟出身)、共産新人の藤本聡と二議席を争う。
第一の意義は、憲法第9条の改悪を阻止する候補が市民運動、社民党、新社会党の三位一体で擁立された点。共産党は、共同候補の働きかけに応じなかったが、有力な共産党支持者は岡本支持に回った。
第二の意義は、連合内候補の柳田(=改憲派)から次々と護憲派労組が岡本支持に回っている流れ。
二大政党制幻滅の棄権票が二大政党制を維持するという皮肉な悪循環の中で、護憲と革新の第三極をつくらなければならない。
岡本さんは次のように訴えた。
「直接・間接に戦争を知っている世代が国会でも激減する中、そうした世代のおそらく最後に属する者として私が国会で反戦を訴える価値はあるだろうと確信しています」。
「私は、戦中・戦後の悲惨な少年時代を過ごし、やがて、日本に見切りをつけて、希望と愛を求め、海外へたちました。八年後、帰国して、原爆ドームの前に立ち、改めて戦争と向かい合った時、涙が止めどなくこぼれてきました。この土の下に多くの市民の怨念が埋もれている。そう思ったとき、生きていることが申し訳ないと思いました。以来、『平和』に没頭しました。ヒロシマはそれから私の原点になりました。人生をかけて闘います」。
全国からの支持・支援を! 詳しくは、
http://www.okamotomitsuo.com/ 電話082―544―0694 FAX082―544―0695(野田 久)
「イラクからの自衛隊の即時撤退を求め、憲法改悪に反対する意見広告」を全国紙に掲載しましょう
すべての反戦の思いを、日本政府に、はっきりと表明するために
今年一月十五日と十六日、意見広告「イラク派兵と憲法改悪に反対する市民の宣言」が、朝日新聞全国版と北海道新聞に掲載された。自衛隊が多国籍軍に参加するという緊急事態を迎えて、新たな意見広告運動が呼びかけられている。
イラクでむごたらしい事態が続いています。米軍によるファルージャでの大虐殺は、ベトナム戦争時のソンミ事件をほうふつとさせます。同じ米軍によるアブグレイブ刑務所でのイラク人収容者の虐待や拷問につづき、英軍による虐殺なども次々に暴露されています。米英がイラク攻撃の口実にした「大量破壊兵器の保有」はまったくの虚偽であったことが明らかになり、スペインをはじめ有志連合諸国が撤兵したり、撤兵を表明しています。
しかし、日本政府は米政府に追随し、占領への加担をなおつづけています。そのうえ、イラク民衆との連帯のために努力している日本人たちが拘束ののち解放されたときも、自らの責任を棚上げし、「自己責任論」を振りかぎして口汚くののしりました。そして政府・与党と右派マスメディアは、日米共同の戦争を可能にする集団的自衛権を合憲化するため、憲法第9条を改悪する動きを加速させています。「朝鮮有事」を想定し、日本の一層の軍国化を進める有事法制の整備も急いでいます。
いまここで、この危険な動きを止めないと、日本は、アジアの近隣諸国のみならず世界の民衆に銃を向ける戦争国家になってしまいます。そのために全国でさまざまな反戦の活動が起きています。しかしデモや集会に、さまぎまな事情で参加できない人たちもいます。行動への参加はできないけれど、何とかして反戦の意思を表明したい、そういう人びとが大勢います。
これまで表面に出られなかった、こうした人びとの声も含めて、すべての人びとの反戦の思いを、日本政府に明確に示すことが、今や、どうしても必要です。そこで、《全国紙への意見広告の掲載》を、全国各地で地域に根差して反戦の活動を続けている人びとが共同で企画しました。どうか、この意見広告運動を成功させるため、ご協力をお願いします。
短期間で意見広告の掲載を実現するため、◎この呼びかけをすぐ、お知り合いにFAX、電話、メール、郵送、手渡しなどで広げて、賛同をお勧めください。ご連絡をいただければ、この用紙をすぐ送ります。◎もし、あなたの関係するグループなどで、ホームページを開設しているのでしたら、この市民意見広告運動のホームページにある「呼びかけ文」や「運動への参加、協力の仕方」などをダウンロードして、それを、皆さんのホームページにも掲載してください。
意見広告の主旨
b日本政府に、イラクからの自衛隊の即時撤退を強く要求する。
b日本国憲法第9条の改悪に断固として反対し、日本政府に憲法の前文と第9条にもとづき、戦争政策を完全に放棄して平和への道を歩むことを強く要求する。
〔掲載の時期)
当面、2004年8月15日を目途としますが、募金がそれ以前に目標を達成した場合には、その時点で広告を掲載します。
〔掲載紙〕 全国紙の一面全部を使った広告の掲載をめざします。しかし事態の進展状況に対応して7段ないし10段の掲載になることもあり得ることをご了解下さい。
〔募金の目標額〕
2000万円。これは、最低限必要な実務費を含みます。
〔賛同金〕
◇団体賛同一口 5000円
◇個人賛同一口 2000円
*短期間に資金を集めなければなりません。できれば2口以上のご協力をお願いします。
〔参加の方法〕
チラシの郵便振替をご利用ください。事務簡略化のため、領収書は発行しません。振替送金の控えをご保存ください。また賛同者の氏名と賛同団体の名称については、振替用紙の通信欄で、ホームページと広告への掲載について、必ず可・不可を明記して下さい。可の場合のみ掲載しますが、匿名希望の方と可・不可不明の方については、人数を広告で報告します。運動に参加された方には、掲載された広告のコピーを1部、お送りします。
◎振替口座加入者名 市民意見広告運動
口座番号00110―5―723920
よびかけ団体(略)
事務局連絡先:市民意見広告運動
東京都渋谷区千駄ヶ谷4│29│12│305
「市民の意見30の会・東京」内
TeI&Fax:03―3423│0185
E-mail:info@ikenkoukoku.jp
http://www.ikenkoukoku.jp/
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