1.26
元農水相、山田正彦さん講演
農業の大企業支配にNO!
種子法廃止がもたらしたもの
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【福島】二〇一八年一二月三〇日、アメリカの離脱などに揺れたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)が一一カ国(日本、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム)の参加で発効された。酪農など国内農産業の衰退と「食の安全性」など懸念は高まるばかりだ。
こうした状況に危機感を抱いた市民たちが「命の源・種と水を守る会」をつくり、元農林水産大臣で日本の種子を守る会顧問の山田正彦さんを迎え、一月二六日郡山市で講演会を開いた。
大資本による
種子の支配!
山田さんは、「種子法廃止とこれからの日本の農業について」と題し、質疑応答を含め約二時間、次のように講演した。「TPP協定批准後、日本政府は・種子法廃止・農業競争力強化支援法・水道法改定・官民連携推進法・カルタヘナ法改正・農村地域工業誘導推進法・市場法の改正(事実上の廃止)・漁業法改定(漁業権を企業に)など国内法の『整備』を次々と行ってきた。この背景には、『日本政府は投資家の要望を聞いて、各省庁に検討させ必要なものは規制改革会議に付託し、同規制改革会議の提言に従う』としたTPP協定へ移行会議に関する日米交換文書がある」。
「日本政府は、主要農作物種子法(種子法)の廃止を二〇一七年四月に国会で可決し、二〇一八年四月から施行した。一九五二年に イネや大豆、麦などの趣旨の生産と供給を守るために制定され、優良な主要穀物の開発と安価な供給を義務づけてきた種子法が、民間企業の参入を妨げているとして廃止された。
これによって、遺伝子組み換え作物(GMO)を製造する企業を含め多国籍企業が日本の種子市場に大幅に参入してくる道が開かれた。また、昨年末には水道事業民営化法が成立した」。
「主要穀物の種子が民間に開放されると価格が高騰する。コメの場合、三井化学の『みつひかり』、住友化学『つくばSD』、日本モンサントの『とねのめぐみ』は公共品種の四〜一〇倍だ」。
「みつひかり等はF1品種なので、自家採取できず、毎年新たに種子を購入しなければならない」「農家は民間会社と直接契約して、肥料・農薬などの資材はすべて購入が義務づけられ、つくばSD2の場合は収穫したコメも他に出荷することはできない」「かつて野菜の種子は国産一〇〇%だったが、今では九〇%が海外生産。コメ等主要作物種子は国産自給だが、それが危うくなる」と農業の大企業支配が進んできていることを明らかにした。
遺伝子組み換え
農産物の脅威
遺伝子組み換え農作物、農薬問題についても次のように話された。「二〇一四年現在でモンサントやデュポンパイオニアなど上位八社で世界種子市場の七八%をシェアしている」「いずれ日本も遺伝子組み換えのコメを作付けするようになる。すでに遺伝子組み換え農産物の承認大国となっている」。
「野菜など四〇種のネオニコチノイド残留基準を大幅に緩和した。ミツバチの大量死など被害が出ている」「WTO協定やTPP協定、ISD条項の適用によって、遺伝子組み換え食品(サケ、小麦)などが輸入され、その表示もできなくなる。牛肉、豚肉などの「国産」表示、野菜、果物などの「産地」表示ができなくなるかもしれない」と、食の安全に脅威が迫っていることを明らかにした。
公共の農産物
を守る運動も
こうした危機的状況に対して「アメリカではグリホサート系除草剤が原因でがんになったとモンサント社を訴えた男性が勝訴し、三二〇億円の賠償命令が出た」「モンサントを買収したバイエル社は、グリホサートに関する訴訟を八〇〇〇件抱えている」「今、ロサンゼルスではNonGMO、オーガニックの食品がスーパーにあふれるようになり、オーガニックマーケットに投資が動いている」と良い変化の兆しが表れていることも示した。
そして、TPP協定発効、種子法廃止に対して「種子法に代わる、公共の種子を守る新たな法律の制定を求める意見書」が全国の市や県から三〇〇件も出ていることを紹介し、県に対し「種子条例の制定を求める意見書」を市町村議会から出す運動、遺伝子組み換え、ゲノム編集の農作物をつくらせない条例をつくるとりくみなどを進めることを訴えた。
新たな出発点が
作り出された!
本講演会には雪が舞う中、県内各地から会場いっぱいの一三〇人が参加,その顔触れも、有機農業者、生協、JAや農民連、環境活動者、全水道労組員、一般市民と多彩であった。できたてほやほやの小さな市民団体の呼びかけにこれだけの人々が応じたというところに、深く広い問題があることを捉えている人がたくさんいることを示している。
集会を前にした一月九日には、「JA会津よつば」が住友化学と種子・肥料・栽培・買取・販売まで契約して業務用米を一五倍に増産するという記事が、何の疑問符も付けられることなく地元新聞の一面トップを飾った。農業と農産物の多国籍企業・大企業支配という大波が迫る中、対抗運動の学習会や条例制定に向けた取り組みが準備されている。 (世田)
1.29
前川喜平さん大いに語る
だれもが安心して働き
暮らしやすい社会を!
一月二九日午後六時四五分から、東京・江東区総合区民センターレクホールで「前川喜平さん、江東でおおいに語る! だれもが、安心して働き暮らしやすい社会のために」が主催:前川さんの講演会を成功させる会、共催:江東区労連、江東区社会保障推進協議会、東京都教職員組合江東支部で開かれ、三八五人が参加した。前川喜平さんは元文部科学事務次官で、これからの日本の教育のあり方を見据えて全国各地で講演をしながら、福島自主夜間中学、あつぎえんぴつの会などで、自主夜間中学のスタッフとして活動している。
加計・森友問題
が示したこと
前川さんは加計・森友問題、教育行政についてそして、最後に夜間中学についてふれた。
加計・森友問題の核心はアベ夫妻が国政を私物化したことだと前川さんは明確に指摘した。学校の設置にあたり、国民の財産が提供された。加計獣医学校は三七億円を今治市がタダで与え、九三億円を愛媛県と今治市が補助する。森友学園は土地をタダ同然で与えた。これを国家戦略特区という規制緩和で特権を与えた。学校を新設する場合、自前の財産でなければいけなかったものを借金で作ってもよいと、橋下大阪府政が緩和した。その結果、初めて森友学園が借金で学校を作ることができた。
加計・森友問題で認可が下りたのはアベの指示があったことは容易に推測できる。それを裏付けたのが愛媛県から出てきた文章だ。
政権の腐敗がひどいのに、支持率が下がらないのはなぜか。
与党がひどいのに、批判勢力がないからだ。アベ党になっている。小選挙区制の結果で、公認をもらうためにアベの言うことをきく。自民党の劣化だ。
アベの一強体制が司法にも悪い影響を与えている。朝鮮高校を教育の無償化から排除していることに対する裁判では初めから結論ありきだ。三権分立が危機に立っている。メディアや教育もアベべったりだ。NHKは特に問題がある。
新自由主義と
国家主義の関係
中曽根時代に新自由主義が取り入れられた。政権は小さく、公共性のものも小さく、公共事業を民間へ移管し市場原理にゆだねる。評価主義・成果主義が蔓延した。教育行政について、社会教育を家庭教育でやれとなっていった。具体的には小・中学校で道徳の教科化が始まる。修身科の復活であり、教育勅語に戻れということだ。国家のために統一する、天皇に対する忠誠心だ。君に忠、親に公。天皇絶対の国へ。家を単位とし、男系、縦の血統で引き継いでいく。万世一系の天皇制にいきつく。天皇の赤子。大きな家族、家族国家観、国体となっていく。戦後ずっと抑え込まれていたものが出てきている。
憲法改正のための前段として教育基本法の改悪をずっとやろうとしたができなかった、アベ第一次内閣の時にそれをやった。次にやろうとしているのが、道徳の教科化だ。そうした教科書を使わなければならなくなっている。がまんしろ、自己抑制、人間をバラバラにして、強力な国家主義、強い権力。
自主夜間中学に
関わる理由とは
一人一人が学ぶことが大事だ。私は自主夜間中学のボランティアをしている。推計で義務教育未修了者が百万人いる。学ぶ機会が奪われている。それは生存権が奪われていることと同じだ。厚木えんぴつの会に行っているが、一日も学校に行かなかった人、ひらがな・カタカナが書けない人もいる。そうした人が学ぶ公立の夜間中学が必要だ。文科省は少なくとも各県に一つは夜間中学が必要だとしている。夜間中学には日本人、外国人、形式卒業者や若い人もいる。ぜひ、夜間中学の実現をしたい。
アベ政治を倒す
ことが最終目的
前川さんは、アベ政治が続くから、私への講演の依頼が全国から寄せられている。アベが倒れれば、忙しい講演もなくなる。ぜひそうしたいものだ、とユーモアを込めて語る。そして、財務局長だった佐川さんに対して、私と同じように告発すれば、コンビを組んでぜひ全国を回りたいと呼びかけた。前川さんはアベ首相をアベとカタカナで書くという。それは漢字で書くと、同じ字の安倍さんのことのようで、いやな思いをするだろうから、カタカナでアベと書くと話した。前川さんは「最終的にはアベ政治を倒すこと」だと発言して講演を終えた。講演には入りきれずに帰った人たちがいたと報告があった。(M)
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